凍りついた香り

突然謎の自殺を遂げた調香師。恋人の女性は彼の師が受け入れられず彼の過去を探る旅に出る。実家では実母から天才数学少年であった事実を突き止め、最後のコンテストが行われたプラハへ飛ぶ。そこで異次元の洞窟で過去の真実と巡り合う独特の世界。天才なるがゆえに少しの乱れも許せない精神世界という解釈。失った側の悲しみはあるが、あまり暗くはならない。流れる文体と不可思議な世界の構築はさすが。

凍りついた香り (幻冬舎文庫)

凍りついた香り (幻冬舎文庫)