サブプライムから発した金融危機とブッシュの失政により、長期凋落の始まったアメリカ。その経歴からして親米派として長短知り尽くしたで著者が本書を訣別の書との位置づけるが、実際には未練はたっぷり再生のための提言書と言うところだろうか。政治経済ははもとより、ジャーナリズム、外交とアメリカ社会全体を網羅。今後のキーは大学を中心とする人材とグーグルに代表されるIT。得意分野であり、豊富なデータ提示、論旨明快、着眼は鋭い。
- 世界を徘徊するホームレスマネーの放置が問題。監視機構が必要。
- サウジアラビアの王政は限界。民主化されていない虚構の反映。
- アメリカは他民族国家を維持するためにつねに仮想敵が必要であった。
- ドルvsユーロのアトランティックの戦いが始まる。
- ITから政界への進出もありえる。ビルゲイツ
- 民主党は労働界が基盤。オバマにも新モンロー主義の危険性。
- 日本はプラザ合意で、対米経済戦争に敗れ、失われた10年を迎えた。
- 1国1票+拒否権のある国連は機能不全。
- 作者: 大前研一
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2009/02/07
- メディア: 単行本
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