ケモノの城

九州で実際に起こった家族監禁、殺害事件をモデルとする。警察の捜査とカップル宅に転がり込んだ怪しい中年男の挙動を並行して語る。犯行はまさにケモノの所業で気分が悪くなるほど。生来の悪人と暴力に支配されそれに従う人間の弱さがある意味で主題。最後に謎の男が救いを演じるのは著者の仕掛けたプロット。ただこの程度では読後感は救われない。

ケモノの城 (双葉文庫)

ケモノの城 (双葉文庫)