孤高のアルピニスト山野井泰史とその妻妙子を描く山岳ノンフィクション。名だたる山が征服された現代、登山家たちの興味は如何に困難な山壁を新たなルートで開拓することにある。山野井氏は名声に興味は無く、登りたい絶壁を求め続ける。そのスタイルは登山隊を組まずソリストとしてヒマラヤの高峰に挑む。苦難の末ギャチュンカンの単独登頂に成功するものの悪天候により下山時に遭難。装備を失い凍傷に苛まれる。結局夫婦共に手足の指の大半を切断することに。それでも消えぬ山への情熱。最後に自分たちの残したゴミを回収に赴く姿勢は感動的。迫真のノンフィクション。

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