明智左馬助の恋

著者の本能寺3部作の完結編にあたる。光秀の娘婿で懐刀である主人公の視点で、本能寺の変を描く。書き出しが荒木村重の謀反であることが象徴的。荒木家に嫁いだい光秀の娘を愛おしむ武骨な純愛がベースを奏でる。光秀は生真面目すぎて、秀吉との出世争いにおどろされたあげく、最後は公家に踊らされて謀反に走ると好意的な書き方。前2作に比べて無駄な部分がそぎ落とされ完成度は高い。坂本城落城のラストは圧巻。

明智左馬助の恋

明智左馬助の恋