文豪社長になる

作家菊池寛の生涯を描いた小説。流行作家から「文芸春秋」を創刊。社長を兼務しやがて近代的な出版社に育て上げる。もっとも経営者としては不適で、信じていた部下に横領され、倒産寸前の危機を迎える。戦中は軍の宣伝に協力したことにより、戦後は公職追放。破天荒な人生だが、時代の流行には常に敏感。部下からは慕われる。漱石から向田邦子まで文壇を彩った多くの作家が登場する。会話が多く読みやすい文体は変わらず。