安売り王一代

ドンキホーテの創業者である著者の自叙伝。ほとんどゼロからの出発で街のディスカウントストアを一大小売り業まで育て上げる。ブルーオーシャンであるナイトマーケットを開拓し、買い物にA(アミューズメント)を取り入れることで、新たな需要を掘り越した。KFSは徹底した権限委譲。現場に責任を持たせることで部下を育てる。大店法絡みの住民問題、さらに放火による火災と幾多の危機を乗り越えるごとに、企業の根本を改め成長していく。麻雀で鍛えた「見」の感覚でバブルには追随しない。なにより老害を懸念しすっと引退するところは賞賛したい。率直な記述で好感が持てる。

  • 主権在現