帝国ホテル厨房物語

帝国ホテルの総料理長ムッシュ村上シェフの自叙伝。幼くして両親を亡くし、ガキ大将は料理の世界へ。下積みから憧れの帝国ホテルの厨房へ。出征、シベリア抑留も経験。どんな環境でも料理の腕とリーダーシップで前向きに生きる。復帰後は若くしてヨーロッパへ留学。帰国後抜擢人事で料理長に。古い体質の残る料理の世界で次々と改革を実施、近代化を図り、オリンピック、高度成長の時代を乗り切る。本人の能力、努力もちろんだがそれを見抜く上司の存在が大きい。健全な組織の証である。座右の銘は「チャンスは練って待て」。文章は平易でユーモアあふれる。広い分野をよく学んでおられたようだ。私の履歴書がオリジナル。良書である。