リボンステークス

元騎手の主人公が調教助手としてダービ馬を育て上げるまでの物語。競馬会の裏側の事情を丹念な取材をベースにリアルに描く。狭い社会だけに序列にうるさく、陰湿な嫌がらせや戦略的な駆け引きが存在する。中学時代のいじめられた経験を主人公に思い出させる。それをおしやる馬への愛情と想い。失恋のほろ苦さも最後には救いが暗示される。ラストは予定調和ではあるがほのぼのとさせられる秀作。

リボンステークス (小学館文庫)

リボンステークス (小学館文庫)