壮心の夢

短編連作集。太閤秀吉を取り巻く14人の武将や商人を描く。それぞれ野望や信じる者への野望。女性への想いを抱えながら戦乱の世を生き抜く。運命に翻弄されながら矜持を保とうとする姿は清々しいものがある。秀吉の人物評価は絶対でありながらいつもある意味正当で非難されないところは前編共通。計算された構成の上に重厚な筆致。このあたりが歴史作家としての力量。

壮心の夢 (徳間文庫)

壮心の夢 (徳間文庫)