著者は元シャープの液晶事業技師長。現在は立命館AUで技術経営専攻の教授。シャープの凋落の要因を自らの経験と経営学の視点から分析する。電卓の時代から技術先行で液晶の開発に成功。亀山工場での「すりあわせ」による垂直統合で成功を収める。さらに事業拡大をねらった堺は投資が過大で頓挫。投資タイミングは悪くないが単位面積あたりの投資額が過大。サムソンがシェア拡大のために戦略的に低価格品を投入してきたことも一因。今後の日本製造業の生き残りのためには、「摺り合わせ」によるグローバル化が必要と提言。モジュール化では日本の長所が生かせないとする。一般向けに平易に記述。仕事上タイムリーで興味深い内容であった。
- 亀山第1 6Gはパンダに売却、現在はアップル専用(6G)
- 亀山第2 8G:AQUOSで大成功
- 堺 10Gで失敗。Formoxの投資を受け入れ
- パンダには6G売却の条件として、IGZOの技術供与を約束
- 作者: 中田行彦
- 出版社/メーカー: 実務教育出版
- 発売日: 2015/01/28
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (3件) を見る