組織の不条理

不条理の権化のように評される帝国陸軍の行動原理を最新の新制度経学から分析する。個人、組織とも神ではなく完全合理性には到達しておらず、限定合理性の中での判断ではありうる選択と位置付ける。さらに現代の日本企業にも理論をあてはめ興味深い。既存の体系からの変革は、組織内説得のための取引コストと投資の埋没コストのくびきがあり容易ではない。成功例としてはジャワ軍政を上げる。大戦末期の硫黄島や沖縄は他に方法が無く中央集権から離れ組織が自己変革していった。強調されるのは常に自由な提案議論ができ変革を可能とする組織づくり。初出は20年前だが古さは感じない。少し理論がくどい部分がありA評価には少し足りない。