アマゾンの奥地、一獲千金を夢見て金を掘り続ける男たちガリンペイロ。その実像を追うノンフィクション。すべても者が名前も過去も問われない。お調子者の若者が現地に乗り込み、やがて失踪するまでを軸に描く。掘削は意外と組織化、近代化されてはいるが、金鉱主に圧倒的に有利なルールが支配する。様々な人間模様が展開するが、それを見る著者の視点は温かい。NHKの取材記であるが、フィクション的な要素も感じられる。知らない世界を知りえたことは収穫。
メディアで話題のエビ加工業。パート社員の勤務を全くのフリーにし、さらには嫌いな作業はしてはならないなど、働き方を自主性に委ねる。著者は創業家の2世だが営業担当で工場からは憎まれ役で、経営方針としてはがっちり管理系。天気となったのは大震災。石巻の会社を大阪に移転。同じく避難したお母さん方に職場を提供。二重債務で苦しむが、社会への貢献、働き方改革と根源的につきつめて今の形となった。根底にあるのは性善説。会社がこれだけのことをやれば、社員は応えてくれるとの信頼感。規模の大小によらぬ真理とは耳が痛い。原発への拒否感も極めて強い。一時のブームに終わらぬように期待したい。
-フリースケジュールの根幹は親族の働き方