カメラを止めて書きます

著者は在日朝鮮2世。映画監督として家族の歴史をドキュメンタリー作品に残す。父は朝鮮総連の幹部で自らの息子3人を帰国事業で北朝鮮に返す。母も気丈な人で子や孫に物資を送り続ける。これにより在北の一族はある意味豊かな生活を送れているようだ。映像作品が問題視され、著者は訪問できない身となる。やがて父が倒れ、長兄も急死。母はアルツハイマーとなる。両親ともに最後には自らの判断に後悔の念をにじませる。壮絶な家族の歴史。映像をキャプチャーして臨場感が増す。あまりに重い一冊。考えさせられる。