日本海軍はなぜ過ったか

戦後行われた海軍将官による反省会の膨大な記録をひもとく。NHK番組での鼎談をベースにする。海軍は縦割りの組織で、国民の幸福よりも組織の成長を優先させたことは歴史の教訓。残念ながら戦後も生かせてはいない。3人の著者は立場は微妙に違うが、反省会自体には一定の評価を与えるものの、結局エリートによる自己弁護であると批判的な論調が目立つ。それぞれが自らの戦争体験を語る終章が印象深い。物語ではなく歴史から学ぶべき次世代への想いは強烈。