なぜ必敗の戦争を始めたのか

偕行社で行われた、旧陸軍エリートたちの座談会。著者が新たに解説と補足を加えた形式。世にゆう陸軍悪玉論を否定。三国同盟は松岡外相の独走。南部仏印進駐は海軍強硬派の暴走とする。海軍はすでに出師にかかっており、米による石油禁輸は即開戦を意味していた。あるいみ一方的ではあるが、新たな史観を提供する。発言者と責任が結びつかず、また重複も多く、読み解くには容易ではない。理解できるのは陸海の連携はほぼ無く、むしろ対抗心が大きかったこと。日本の指導部は終戦へのビジョンはなく、ドイツ頼りであったこと。真珠湾の時点ですでにドイツは対ソ戦でピークを越えていたのは歴史の皮肉。