副題にあるとおりエネルギー情報学の入門書。長年三井物産で資源エネルギーを担当した著者が、他とは大きく異なるこの業界の常識を平易に解説する。なかなか知り得ない内部事情にまで踏み込んだ内容で読み応えがある。日本の優位性は省エネ、環境技術。これらは第五のエネルギー資源となり得るとする。
- トリニダートトバコLNGはスポット市場への販売がメイン。供給責任のためのコストが不要で競争力がある。
- アメリカはイギリス伝統の「捕獲の法則」。土地所有者が地下資源の所有権を有する。
- アメリカのパイプライン網は第三者使用権が保証されてる。小規模な開発者もわずかな投資で販売に利用できる。
- 資源に本来あるべき価格は存在しない。需給バランスにより市場が決定する。
石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか? エネルギー情報学入門 (文春新書)
- 作者: 岩瀬昇
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2014/09/19
- メディア: 単行本
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