1993年の著作であるが、その近未来予測の正確さには改めて舌を巻く。近代資本主義が成熟し、我々は時代の大きな変革点に臨んでいるとする。来るべき社会は「知価社会」。本文に対する自らの注釈がアクセントになり読みやすい構成になっている。
引用多数。
- テイラーの教育訓練が生産性を爆発的に向上させた。それまではドイツに代表される徒弟制度であり、技術の伝承には時間を要した。
- 年金基金資本主義=現在の資本の大部分が実は従業員の年金により支配されている。それは資本家無き資本主義。
- チームには3つの形態がある。
野球型=ポジション固定 (近代大量生産に適する)
サッカー型/オーケストラ型 柔軟性をます。コーチや指揮者が必要。
テニスのダブルス型 小規模であるが互いに弱点をカバーする。
- 組織の価値体系の外に有る仕事はアウトソーシングすべき。それにより働くものは新たな価値体系を作れる。例=病院のベットメーキングの専門会社。
- 資本主義/社会主義の構造は結晶であったが、ポスト資本主義はより柔軟性を有する液体の構造になる。
- 日本とドイツは戦後。経済の天候でなく気候を重視する政策により成功した。日本では1980年代半ばに円高による輸出減に対処するため、国内消費を刺激したところバブルの発生を呼んだ。
- アメリカの教育の問題点は、黒人問題による罪悪感により、学校を人種の融和の場にせざるを得なかった。
- 作者: P・F・ドラッカー,上田惇生
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2007/08/31
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 21回
- この商品を含むブログ (16件) を見る