自己責任

2003年12月に発生した「イラク日本人拘束事件」。被害者のうち当時最年少の18才であった著者の手記。まずこの年齢に驚かされる。これだけで見方は著者サイドになってしまうのだから甘ちゃん読者です。NGOの取材のためバクダットへ向かう途中にいきなり拘束されて、その後9日間監禁状態であったので、当事者でありながら事件の真相は何も知らせれていない。日記をベースに体験を淡々と書きつづっているが、当然見方は自らの状況に限定される。イラクのためよかれと思い活動していたのに、自衛隊を派遣した日本人であるというだけで、テロの対象とされたことに戸惑い憤る。拘束のストレスと帰国後の取材攻勢のため3人とも体調を崩したのはもっともだろう。タイトルの自己責任については当然覚悟の上のはず、無謀ではあるが若者の行動力を賞賛したい。

自己責任 いま明かす「イラク拘束」と「ニッポン」

自己責任 いま明かす「イラク拘束」と「ニッポン」