素顔の西郷隆盛

著者による新書版の伝記。とかく神格化される虚像を取り去り実像に迫る。周囲を取り込んでいく人格者の部分と緻密な計画を立てる策謀家の部分が共存する。現実主義を重んじる薩摩の風土が背景にある。これまでになかった視点で新しい英雄像を打ち出すことに成功している。

  • 敵にも信頼されるのが豪傑
  • 朱子学は物をいたる。陽明学はものをただす。漢語ではいずれも格物
  • 西郷とは餅のような男。同じ空間におくと膨れ上がって隣の餅と一緒になる。

素顔の西郷隆盛 (新潮新書)

素顔の西郷隆盛 (新潮新書)