2021-07-07 国家の尊厳 書評 歴史 社会 新たな国家論。現代社会は深刻なアイデンティティの危機にあるとする。戦後の価値観であった自由と民主主義は疲弊し、本家アメリカでもその価値が揺らいでいる。Somewhereにしか住めない中間層は世界に触れている実感とスピードを重視し、トランプ支持前半の現状認識には大いに同意。後半では日本の新たな価値観として天皇制を意識した尊厳ある国家を提案する。日本古来の歴史と美しい文化を尊重するが、グローバル化の流れの中では実現性は疑問符。正直。あまり響かない。考えさせられる一冊ではあるが、微妙な読後感。 国家の尊厳(新潮新書) 作者:先崎彰容 新潮社 Amazon