屋根をかける人

アメリカ人実業家ヴォーリスの伝記小説。キリスト教の伝道者として来日するが、近江八幡を舞台に西洋建築家として活躍。やがてメンソレータムの販売、製造と近江兄弟社を立ち上げる。家族の娘と結構。文字通りに日米の懸け橋となる。戦時中は迫害を受け、軽井沢に逼塞。終戦後は近衛の依頼を受け、国体の維持に奔走。象徴天皇への道筋をつける。この辺りはフィクション。仙洞御所での陛下との面会がクライマックス。ともかく積極的な人生。時代的に日本での暮らしは難しい局面もあったろうが、自らの信じる道に、周囲の人間を巻き込んでいく。読みやすい好著。

 

 

屋根をかける人 (角川文庫)

屋根をかける人 (角川文庫)

  • 作者:門井 慶喜
  • 発売日: 2019/03/23
  • メディア: 文庫