西洋史が専門の著者が日本の戦国時代に焦点をあてる。欧州のルネッサンスと比較しながら激動の勃興期を振り返る。根底には戦後の自虐史観への批判と自らの戦争体験がある。史実には新たな発見はなく教科書通りであるが、武将個人の内面に踏み込んだ視点は新鮮で知的な刺激に満ちる。さすがの一冊。
- ヨーロッパは自然条件が厳しく、生存競争が激しい。退くことは死を意味する。
- 親兄弟を除くという骨肉の争いから免れたことが、秀吉の性格を明るくした。
- 進歩史観が美化したルネッサンスは、野蛮と残忍さに溢れた卵生。
- 封建制は社会の変革期に台頭する強力な個性の競争から生じた制度
- 作者: 会田雄次
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2007/02/01
- メディア: 文庫
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