平成関東大震災

シュミレーション小説。新宿の都庁で被災した中年サラリーマンが、墨田区の自宅に徒歩で帰りつくまでを描く。解説役につくのは関東大震災で命を落とした祖父という設定。物理的な復興はもちろんだが、すべてを失った後の心のケアがいかに大事かが、しっかり伝わる。作者にしては軽めのタッチで災害に対する心構えを啓蒙。

  • どんなに大地が身震いしても、人の心だけは壊せない。壊すのはいつだって自分自身。