9.11と3.11日米を襲った二つの危機とそれに対処する政府首脳。インテリジェンスの有無とトップの決断に対する責任が際だった違いを見せる。ビンラディンを補足したオバマ大統領を賞賛し、右往左往したあげく現場に出向いた管首相には当然手厳しい。情報力を含めた組織、統治システムの差だけではない。長年報道の現場で国際政治の裏舞台に精通した著者のノンフィクションは迫力満点で読み応え有り。
- アメリカはブッシュの戦争で中東に没頭し、東アジアは手薄になった。
- 日本は民主党政権が沖縄基地問題で生命線の日米同盟に亀裂を生じせしめた。
- 中国、北朝鮮は日米間の乖離を推し量っている。
- 革命によって誕生したエリツィン政権でする、前政権の国際約束は尊重した。
- 国際社会では力を持つ者が正義。持たざる者は自らの存在が悪とならないように振る舞うこと。
- 沖縄人は亜民族としての意識を持つ。日本からの分離独立もあり得る。
- 愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ。(ビスマルク)
宰相のインテリジェンス: 9・11から3・11へ (新潮文庫)
- 作者: 手嶋龍一
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2013/08/28
- メディア: 文庫
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