勝つための経営

HY研究会による日本企業の研究。現在の不調を景気や円高のせいにするのは誤りで、経営戦略の失敗であると明言。製造業を「もの」と「つくり」に分離して考えた場合、日本はつくり=生産技術にすぐれているが、もの=商品デザインは欧米の後追いであった。アメリカはアップルに代表されるように次世代のアイテムを次々と開発し、韓国サムソンは新興国の市場にマッチした商品開発で日本を圧倒した。製造技術の大部分もデジタル化で模倣可能になっており、日本の競争力は失われつつある。打開策としては「秘伝のタレ」で他にまねできない商品開発を行うこと。異業種の協力を上げる。鋭い指摘の一冊だが、痛いところを突かれているという部分も正直ある。

勝つための経営 グローバル時代の日本企業生き残り戦略 (講談社現代新書)

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