人はなぜ裏切るのか

副題通り「ナポレオン帝国の組織心理学」。稀代の英雄に心酔し支えながら最後の局面で裏切った7人の男達の心理を探る。コルシカの貧乏貴族の出であったナポレオンは戦争で勝ち続けるしか、その権力基盤を維持することは出来なかった。一方将軍や側近達はある者は平和や安定を希求し、権力欲もあってロシア遠征に失敗した皇帝から離れていく。一般民衆の反応とは温度差があり、後世の評判が芳しくない。作者得意のフランス歴史物。簡潔平易に書かれているがややマニア向き。この分野に不案内な人間にはややつらい。