6ステイン

6編の連作からなる。自衛隊の諜報組織の末端で国を守る工作員を描く。組織の論理と個人の良心、肉親への愛慕との葛藤が描かれる。作者の一連の作品と相通じるテーマであるが、いつもよりややソフトなイメージ。フィクションでありながら現実の組織もこうであろうと思わせる見事な構成力と描写力には脱帽。ステインはシミと直訳するにはあまりに誇り高い戦士たちの魂との意味のよう。

6ステイン (講談社文庫)

6ステイン (講談社文庫)