尖閣問題で日中関係が最悪期を迎えた時期に駐中大使を務めた著者が、その経験から今後の日中関係を予測、打開策を提言する。商社のトップらしく外交関係に止まらず、日本のグランドデザインについても言及する。日本の優位性はブルーカラーの優秀さ。これを維持拡大するには教育への投資がかかせない。3A(安全、安心、安定)がキーワードとなる。日中は互いに「引っ越し出来ない隣国」「離婚できない夫婦」である。民間レベルの経済交流から関係を再構築すべき。歯に衣を着せぬ物言い。ソースは明かさないが中国要人の本音も記され大いに参考になった。
中国で考えた2050年の日本と中国 北京烈日 決定版 (文春文庫)
- 作者: 丹羽宇一郎
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2016/02/10
- メディア: 文庫
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