漂流する日本企業

日本経済の失われた30年の原因とその対処法を説く。2度の金融危機により、銀行に依存できなくなった企業は、内部留保を高め積極投資を抑制した。一方で外圧によりガバナンスが流行りとなり、配当性向を高めた。直近では投資額より配当額が高い異常な状況となっている。いずれも確固たる経営原理を有しない日本企業の漂流。著者の主張である人本資本主義への回帰を強く訴える。成功例はキーエンス。投資を増やし、人を育てる。我々はそうやって育ててもらったのは事実。日本社会の質の高さがアドバンテージとなるか。短期間で書き上げたのは大家の危機感の顕れ。心したい。