足利義満消された日本国王

足利三代将軍義満の晩年に迫る。明と外交を通じ、日本国王の称号を受ける。これが天皇を蔑ろにした行為であると、皇国史観論者から批判の対象になる。著者は実力的にはむしろ、天皇家は眼中になく、東アジア全体を見据えた大きな構想を持っていたのではないかと推察。実子との確執から急死についても疑いを持つ。著者は東洋思想が専門。あまり注目されることない室町幕府の実像に焦点をあてる。度々の脱線はご愛敬。