檄文の日本近現代史

昭和史に残るターニングポイントで発せられた檄文を取り上げ作者が解説する。26篇。文庫化、新書化の折に平成、令和の部分が取り上げられる。戦前の皇国史観から、現在の象徴天皇制へ。常に天皇が中心に歴史は巡っていたことがあらためてわかる。左側や庶民の訴えも幅広く取り上げ、知らない史実もあり興味深い。若くして命を賭けた特攻隊員や、自死を選んだ子供たちなど残した文章は極めて重い。期待に違わぬ好著である。