京都嫌い

一般には京都人と思われる著者が、本当の内部事情をネタに京都を語る。中心に据えるのは洛中による洛外への差別意識。前半はしつこいように実例をあげ笑わせる。後半はさらに歴史的な観点から南北朝の騒乱まで立ち返る。嵯峨に天龍寺を立てたのは足利尊氏による後醍醐天皇への慰霊。法隆寺論争の引き金となる。関西人としては十分楽しめた一冊。ベストセラーとなったのも頷ける。

京都ぎらい (朝日新書)

京都ぎらい (朝日新書)