岡本太郎の仕事論

岡本太郎本人の著作からその生き方と芸術性を確認する。戦前のパリに留学しながら、日本人の職業画家とは群れず、また認められた前衛画家達とのネットワークも利用しない。軍隊での鉄拳制裁も、言動への厳しい世評も甘んじて受けてきた。すべては自ら信じるところのため。芸術は民衆のものであり、作品は思想のキャリアに過ぎないとする。誰もが不安に思った万博テーマのプロデュースは独特のチーム運営で見事にこなす。鮮烈な人生。内縁の妻である敏子が唯一の理解者であり支えであった。著者は敏子の甥にあたり、現在は記念館館長。

  • 職業は人間
  • 歯を喰いしばって最後まで岡本太郎をやり通した。(綾子)