国家経営の本質

80年代の国家リーダー6人を取り上げた研究書。東西冷戦が終結し、歴史的に大きな転換点となった時代。ケインズ経済学がいきずまり、新自由主義に転換したころでもある。評価の高いリーダーたちはどう動いたか。キーワードは歴史に対する洞察力とプラグマティズム。理想は明確に語るものの、実際には現実的な決断を繰り返す。政治家としては政策の実現のために人事に重きを置く。市民としてはリーダーの器量を見極める力が必要。

中曽根

  • 首脳間の話というのは要は器量の見せ合い。
  • 旧制高校の教養が、政治理念のバックボーン。

レーガン

  • グレートコミュニケーター

サッチャー

  • 鉄の女は名誉の称号。
  • 組合との対決。

ゴルバチョフ

  • 共産主義体制が生み出した遺伝子の突然変異。
  • 絶大な権力を行使せず、ソ連の墓掘り人となった。
  • 新外交主義は西側に受け入れられたが、国内では守旧派と改革派の狭間に陥る。

コール

  • 歴史好き。ビスマルクを尊敬。
  • 機を見て一気に東西統合を進める。

蠟小平

  • 改革開放。
  • 共産主義は堅持しつつの経済優先。