メディア論から日本の終戦を検証する。日本では常識となっている終戦記念日だが、国際的にはミズーリ艦上での降伏文書調印が正式な停戦。「敗戦」を「終戦」に読み替えたかった意図が働く。独立を達成した中国、韓国の事情にも配慮した形。良く聞き取れなかったはずの玉音に号泣する新聞写真に不自然さを感じ、事前に作られた虚像ではないかとの疑問が導入。新聞、ラジオの報道記録に鋭く切り込む。後半は教科書の検証に移るが素人にはやや細かすぎる。力作ではある。
八月十五日の神話 終戦記念日のメディア学 ちくま新書 (544)
- 作者: 佐藤卓己
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2005/07/06
- メディア: 新書
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