会社は誰のために

キャノン御手洗。伊藤忠丹羽の両総帥が自らの経験を元に経営を語る。章ごとのテーマを拾うと改革、組織、教育=人材育成、経営、日本の将来となる。メーカーと商社の差はあるが、共通しているのは日本企業が生き残っていくためには唯一の資源である人材の活用が重要であるということ。そのためにトップは率先垂範。社員にはしつこいほど理念を語るべしとのこと。全般に内容的には常識論の域を出ない感もあるが、二人の圧倒的な現場主義と実績が重みを持たせている。単純な対談形式でなく、節ごとに交互に述べる形式の共著は新鮮で読みやすい。編集の勝利。

  • ビジネスは人工の社会。やって出来ないことはない。
  • 改革は大胆に。自分の考えている150%くらいで良い。ゴルフスイングの改造と同じで傍からみるとそんなに変わっていない。
  • 会社は非民主主義の社会である。トップが最終的に判断する。
  • 人間には数百万年前から「動物の血」が流れている。容易に欲望や業に支配される。「理性の血」は数千年に過ぎない。

会社は誰のために

会社は誰のために