クイールを育てた訓練士

盲導犬を育てるカリスマ訓練士である多和田氏。犬の気持ちがわかる現代のドリトル先生と絶賛される。本書は自らの手記と、彼のキャリアを描いた記者のルポ。それに犬たちとの写真という構成。訓練士の社会的地位は昔から高くなく、経済的には困窮するが、社会的使命感と家族、特に夫人の理解と協力で、盲導犬の世界に新たな風を吹き込む。犬を仕上げることに血道をあげていた旧来の手法から、犬と人間の関係を重視した独自のシステムを構築する。常にユーザーサイドの視点に立った育成方針と、血統を重視する科学的な手法。犬の適性を見抜き楽しく訓練、仕事させることが秘訣。薄めだが内容の濃い一冊。

クイールを育てた訓練士

クイールを育てた訓練士

  • 訓練士としてやってはいけないことは適性のない犬を盲導犬とすること。
  • 人間は失敗する。許されない失敗はない。
  • 障害者の最終の目的は、Self-Esteemを持つこと。