栄光のバックホーム

将来を嘱望されながら、脳腫瘍で現役を引退。引退試合での「奇跡のバックホーム」で周囲を驚かせた阪神の横田慎太郎。本書はその驚きの人生を母親への取材から描いたノンフィクション。名門鹿実のエースで4番。プロ選手だった父親譲りの才能に加え、若いころから自分を律する努力家。甲子園には一歩届かず、阪神のドラフト2位。一軍定着を目前に発症。3度の入退院を繰り返すが、最後はホスピスで家族に看取らる。母親の実感は天からの預かりもの。まるでメシアのように奇跡を起こすが、母親の偉大な愛もまた感動もの。最後は涙無くして読めない。見事な人生に合掌でなく拍手を。