密航のち洗濯

戦中戦後を生きた朝鮮人の小説家。彼の残した作品と日記から、家族の運命を探るルポ。終戦直後の北からの逃避行、米軍占領下の日本への密航。最愛の妻を残して単身泳いで上陸する。日本人と再婚し東京でクリーニング店を営むが、絶えず差別と貧しさとの戦い。体を壊し早逝する。彼と家族に象徴される植民地での厳しい現実は、反日感情へ結びつくことは理解できる。力のあるノンフィクション。