ムスコ物語。

著者による自由奔放な子育て記。イタリア留学時代にシングルマザーとして出産。その後イタリア人学者と再婚し、日本、シリア、リスボン、シカゴと移り住む。息子の方は巻末で告白しているように大変だったようだが、結果として逞しいコスモポリタンに育つ。著者自身も音楽家だった母親に自由放任主義で育てられたとのこと。子は親の所有物ではないが、しっかり愛情を注ぎ守り育む。日本のステレオタイプにはとらわれない新しい家族の形。軽妙な語り口で読みやすい。好著である。