仮面を取った浦島太郎

浦島太郎は単なる昔ばなしではなく、古代史に基づく伝承であるとする著者の自説を検証する。冒頭に7つの謎を提示。一つ一つつぶしていく構成。舞台は古代に栄えた丹後の国であり、蓬莱山は渤海の秦の遺跡を挙げるなど斬新な発想。旧豪族を征服した大和朝廷との正史との関係で複数のバージョンが存在する。龍宮と琉球の関係も触れられるが、ここは踏み込み不十分。いずれにせいよ学術的な証拠はなく、著者の想像の域を出ない。古代史ミステリーとしては良い出来。