夢見る帝国図書館

上野公園で知り合った老齢の女性。不思議な雰囲気と過去を持つ。キーとなるのは帝国図書館。その歴史を振り返れば、戦争に振り回された激動の時代。その中で蔵書を増やし、守り、名だたる文豪たちに愛されてきた。語り手である作者の分身である小説家が老女の人間関係や文献から過去を解き明かす。幼女時代から時代と家族に振り回された一人の女性の生涯が明らかとなる。力作かつ秀作である甘めのA評価。現代の子供図書館に行ってみなくては。

 

-真理がわれらを自由にする。