削り屋

親との確執で、歯学部を中退した主人公が、東京下町の町工場に住み込みで働く。共通項は削り。NC制御全盛の時代に昔ながらの機械式に取り組む。背景には幼なじみの友人と恋人。さらにライバルの御曹司の存在とこの辺はわかりやすい青春小説の設定と展開。震災復興のために福島の取引先で奮闘、最後は技能五輪で優勝する。読者は主人公の成長と共に金属加工の基礎を学んでいくことになる。着眼点は良く読みやすいが今ひとつ。もうひとつ深みが欲しかった。

削り屋 (小学館文庫)

削り屋 (小学館文庫)