日本語の科学が世界を変える

科学技術論。欧米のサイエンスが停滞感がある中、毎年ノーベル賞に輝く日本科学者の活躍の源を探る。答えは日本語の多様な表現と、中庸を重んじる日本文化にあるとする。明治の初期に見事な訳語で科学の世界を広げた先達に感謝。代表例として東北大の西澤教授を挙げる。英文の論文の数を競う最近の風潮には批判的。一方的な日本科学肯定論であることは作者も自認している。新聞の書評から入る。参考にしたい。

  • 日本の科学者にとって英語は必要であっても十分な武器ではない。
  • 日本文化へもっとも貢献した科学技術は日本語ワープロ。言語のハンディ無くITの世界に入れるようになった。
  • 日本文化は二分法でなく、中道、中庸を尊ぶ。
  • ノーベル賞で化学と物理学の境目は、分子と原子。

日本語の科学が世界を変える (筑摩選書)

日本語の科学が世界を変える (筑摩選書)