一刀齋夢録

タイトルの一刀齋は新撰組3番隊長斉藤一の逆読み。戊辰戦争を生き残った居合いの達人が明治天皇大喪の礼で休暇中の陸軍中尉に自らの来し方を語る。真剣での命のやりとりは、武士道のきれい事からはほど遠く、だまし討ちに近い駆け引きが勝負をわける。唯一情けをかけた不幸な少年兵を弟子として育てるも西南戦争で斬ることになった悲劇。新撰組3部作の最終章とのことだが、展開が重く前2作には及ばない。

一刀斎夢録 上 (文春文庫)

一刀斎夢録 上 (文春文庫)