新徴組

著者には珍しい幕末史を題材とした長編。新撰組を京に残し、江戸に戻った浪士組は清河八郎の出身地である庄内藩の預かりとなる。戊辰戦争では会津と連合を組み頑強に新政府に抵抗する。物語は沖田総司の義兄である林太郎とその上司でありプリンス酒井玄蕃を中心に進展する。玄蕃は早くから洋式教練を取り入れ、最新の武装と合わせて守備だけでなく、官軍になびいた秋田藩を責め立てる。普段は寡黙で頼りないが東北武士の意地を見せつける。最後は充分に感動的。700頁近くの大作で読破には力を要した。

新徴組 (新潮文庫)

新徴組 (新潮文庫)