本当は危ない「論語」

著者は中国文学の研究者。目新しい論語評になっている。日本では儒教の聖書と位置づけられているものの、由来としては四教五書より一段低い位置にあった。その表現の古拙さ故に幾通りもの解釈が可能であるところに危うさがあるとする。日本に与えた影響も大きく、現代までつながる江戸幕府儒教教育を支えたと同時に明治維新の哲学にもなった。

  • 孔子の時代は政教分離は概念さえなく、政治と祭事は一体であった。儒教は宗教か、教育かという議論は意味がない。

本当は危ない『論語』 (NHK出版新書)

本当は危ない『論語』 (NHK出版新書)