裸でも生きる

ともかくよく泣く女性である。それだけ純粋であり、また日々挑戦的な人生を生きている証しであろう。最貧国であるバングラデッシュでジュート製のバックを生産する企業を立ち上げた著者の自伝。女性でありながら強くなりたい一心で工業高校の柔道部に飛び込んだり、偏差値40をもろともせず慶応の受験に挑んだり、常に自分を信じる彼女はついに現場を知らない国際機関のエリートに憤り、バングラの現場に飛び込む。若さの特権か一見には無鉄砲で徒手空拳とも思える生き方を貫く。独りよがりの暴走でもあるのだが、こんな人が間近にいれば周囲は引き込まれずにはいられないだろう。娘の年代の著者からから教えられた感動。胸のすく好著である。

裸でも生きる――25歳女性起業家の号泣戦記 (講談社BIZ)

裸でも生きる――25歳女性起業家の号泣戦記 (講談社BIZ)