中国の食品工場ルポ。紹介されるのはほとんどが日本企業の現地JVである。本書で明らかにされるのは徹底した衛生管理の下、中国人の労働者たちが日本人の食生活を支えている現実の姿である。日本社会固有の細かい要求、例えばエビ、アジフライの尻尾は衣がついていては商品価値が下がるに応えるため、安い賃金で単純労働を繰り返す若い女性たち。歩合制のため私語もない職場。たび重なる仕様変更のため機械化より人間の手に委ねているとのこと。中国の食品企業は日本市場はやがて縮小傾向になることを見越して、培った技術を活かして中国市場に目を向けていいる。日本は「買い負け」る危険性もある。意外な展開での重いテーマ。考えさせられる1冊。476
- 作者: 青沼陽一郎
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2008/05/08
- メディア: 文庫
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